月夜見山荘+おすくに

掲載誌
2021 『住宅建築』4月号

竣工年  :2018年
所在地  :山梨県南巨摩郡早川町西宮
用途   :食堂+宿泊所
構造   :木造平屋
延床面積 :31.7㎡+121.5㎡ (9.6坪+36.7坪)
設計期間 :2018年3月〜6月
工事期間 :2018年7月〜12月
施工   :株式会社 望月工務店

 つくることと住まうことが一体となったごく自然な行為。かつての早川ではあたり前だった風景。建具、家具、床板、土壁、和紙。古い家は磨けば光るものばかり。改修で出た廃材はまた板壁に使った。自分たちの手でつくることで、その後のメンテナンスを手がけていくノウハウを学ぶことができる。仲間たちの手助けもあって、素人ばかりで古民家を一棟貸しの宿として蘇らせることができた。
 また蔵にあった鉄くずや古建具を再利用し、超ローコストな食堂が誕生した。コストを抑えるために使った半透明のポリカーボネイトの壁からは、人の住まなくなっていた西宮集落の夜の闇に、希望の灯りがもれている。建物も人間も生きているのだよなぁ。