竣工年 :2009年
所在地 :埼玉県飯能市
用途 :住宅
構成 :母娘
構造 :木造2階建て
敷地面積 :197.39㎡ 59.63坪
延床面積 :60.49㎡ 18.2坪
設計期間 :2009年2月〜2009年8月
工事期間 :2009年8月〜2009年11月
施工 :神田建設 株式会社
飯能の市街地に建つ18坪の小さな住宅。飯能では古くから林業が盛んで市街地を囲む山々で育てられた良質な杉や桧は、西川材として各地で使われている。この家も柱や梁、床の杉板等、ほとんどの木材に西川材を使用した。
年老いた母と末娘が二人で住まう小さな家を、長女家族の家の庭に、離れのように建てた。女性らしい可愛い家を希望していた。この二つの家族の 生活、陽当たり、距離感など、案を重ねて二つの家の関係を探っていった末、五角形に辿り着いた。
muumuuとはハワイの正装の ゆったりとしたドレス。一方で「短く切る」という意味を持つ。西洋のドレスではハワイの温暖な気候にそぐわない為、袖や裾を短く切ってアレンジしたことが今のmuumuuのはじまりとされる。ハワイアンモチーフが大好きなこの母娘の家を、彼女たちにあわせてカット・アレンジしようと、muumuuという名をつけた。
母娘の関係から、室内はほとんど間仕切りのない空間となった。床・壁・天井含め9面体となる大きなひと部屋の空間を、コストを抑えた最小限のしつらえで場をつくる。「動」の場となる土間と、「静」の場の板間には200の段差を設け、空間の広がりを確保しながら、生活の所作が干渉しすぎず孤立しない様な、ほどよい関係を探った。鈍角がつくる五角形が、二つの家に陽当たりと中庭を、この小さな家には広がりと包まれる様なやわらかな落ち着きを与えた。