掲載誌
2008 『JA』No.68
2007 『新建築』11月号
2007年 第42回セントラル硝子国際建築設計競技
『環境動物園』
入賞(応募752作品)
『環境』にも『動物』にも境界線はない。連続する生態系をなして地球上で生きている。こうした『環境』や『動物』を『園』という閉じた系にあてはめてはいけない。「人間中心ではない動物との新たな関係を構築する」ために、「園」をいかに開いた系の中で捉え、「環境動物園」を定義できるかという試みです。
「環境動物園」という課題に対し、私たちは世界中に繋がる国境線をそのフィールドに設定した。ここを『EARTH BORDER』と呼ぶ。人間と環境、動物や植物の命をつないでいく国境生命線をつくるという提案である。
EARTH BORDER - 国境生命線 –
環境問題や動物保護は伝統と進歩、
自然と人類といった二項対立に必ず陥る。
民族や宗教戦争もみなこうした矛盾を
抱えたまま行き場もない。
環境動物園がこのような二項対立の
Interface として存在できないだろうか。
あらゆる矛盾は境界線で噴出する。
国境は社会の最もリアルな断面である。
国境は全世界につながる。
国境を環境動物園のフィールドと設定した時、
『EARTH BORDER』が世界を縦横に走る。
国と国の境から、環境という環をつないでいく。それは分断を意味するBORDERから連続する生態系をも『EARTH BORDER』への転換である。そしてその地平には『BORDERLESS』な地球環境が続いていくというイメージを夢見て、この『環境動物園』を提案した。