珈琲飄々

写真:萩生田優(3枚目除く)

竣工年  :2020年
所在地  :千葉県市川市
用途   :喫茶店
構造   :木造2階建
店舗面積 :48.90㎡ (14.8坪)
設計期間 :2020年3月〜8月
工事期間 :2020年9月〜11月
施工   :南條木材店合同会社

住宅から喫茶店への内装リノベーション。自家焙煎、ネルドリップの珈琲専門店。
「古いものが似合う落ち着いた空間」と「音楽と読書でゆっくり過ごす時間」という2つの明快な要望からはじまった。
基本プランがぼんやり決まった段階で、私たち自ら解体作業を行う。ハウスメーカーの住宅、材料のホンモノとニセモノを見極め、取り外していく。すると下地材はホンモノ、仕上材の多くはニセモノ(貼りもの)だとわかってくる。ホンモノは釘を抜きストックし、棚板や壁に再利用する、古障子を天井に、ビニルクロスを左官にするなどの方針を決めた。
むき出しになった柱や梁や根太と、再利用した廃材は同じ時間を経て、裏(下地)から表(仕上)に現れ、蘇った。それらが刻んできた時間は、空間に落ち着きを与えてくれた。
設計において、お店に置かれるカップや小物、古道具から、棚板、枠材や建具、そして柱や梁といった無骨な木材に至るまでの材寸法を、違和感なく連続させることに気を使った。