フレムサ_改修

掲載誌
2017 『スロウ vol.50』

 

before

竣工年  :2014年 築30年の家を改修
所在地  :北海道釧路市緑が丘
用途   :住宅
構成   :夫婦+子ども1人
構造   :木造2階建て
敷地面積 :292.97㎡ 88.44坪
延床面積 :122.10㎡ 36.86坪
設計期間 :2012年8月〜2013年8月
工事期間 :2013年8月〜2014年2月
施工   :有限会社 桂田工務店

このあたりの丘陵地帯は旧名を「フレムサ(赤い、いら草のある所)」といい、この地帯の中心をなす所だったらしい。〈中略〉かつては、先住民族が営々と暮らしていたこの緑が丘大地。その後塵を拝して生活する私達は、北に阿寒連邦を眺め、眼下に流れる旧釧路川と太平洋に沈む夕陽を眺望出来る自然的な環境に感謝し、この街の魅力、そしてここにある歴史、風土を地域に生まれ育った子供達に伝えて行かなければならない。と西暦2000年を期に、強く思うものである。(文章:澁谷耕而)

お施主さんの父が残したこの文章から、父から受け継いだこの家を「フレムサ」と名付けた。家を住み継ぐときに、これからの暮らしにあわせていちど家を〈読み替える〉ことが必要となる。潜在的にこの家がもっている特徴を活かし、読み替えることでもういちど命が吹き込まれていく。新しい暮らしの中で、ふと記憶の断片が重なったり、過去に思いを寄せる。この家が時間を繋いでいく。