『形の意味』1964年7月

滝沢健児著 彰国社

・序にかえて 吉阪隆正
・はじめに
・甲板/幅木と天井のおさまり/スクリーンと扉枠/窓と軒まわり
・あとがき


「ここに出てくるディテールのほとんど全ては、古い歌謡曲みたいに今はもう忘れ去られてしまった。だって昨今の建築雑誌を見れば、もう軒もない、窓枠もない、もちろん幅木も廻縁もないじゃない。
建築家の興味は構造とボリュームといった「理」に偏っている。忘れ去られた軒や窓枠や幅木や廻縁とはすなわち造作材(化粧材)のことである。化粧は説明できない「情」の問題だから消し去りたいのが現代の状況か。こうした現状を疑い続ける為の、形そのものに徹底的に切り込んだ渾身の一冊なのです。デザインはここを捨ててはいけない。」(2009.3.12)