『都市住宅』1975年8月 特集 発見的方法

特集 発見的方法 吉阪研究室の哲学と手法その1

・論文「地表ははたして球面だろうか」
・はじめにことばありき
1不連続統一体
不連続統一体/発見的方法/地図論/潜在的資源/段階的存在としての記号/くんずほぐれつ/巡礼路のネットワーク/まとまりの段階区分/オプティマム論/特化を避けるべきだ/逆格差論
2鄙も都
生活環境単位/硬い殻と軟い殻/ムラの認識/漁村の空間/漁村・下町型と農村・山の手型/ムラの意識空間/方言地名/小さいサイクルと大きいサイクル/かいわい/都市の生活位相/建物は硬くなる/露地ー領域の緩衝/都市の隙間/
3つの空間秩序の相
3キレメとまとまりまちは意外にせまい/まちのシンボルの力/農村計画の戦略と戦術/山原型土地利用/東京にキレメを/緑の額縁/通過交通を入れるな/道ー大島/道ー弘前/道ー仙台/水取り山/自力建設

・伊豆大島から沖縄へー黒潮をみなおす
大島/高田馬場/弘前/東京/津軽/仙台/名護
・解題:1975年6月21日午後7時〜12時新宿百人町
吉阪隆正+大竹康市+マンフレッド・シュパイデル
+寺門征男+地井昭夫+重村力
・資料


「『都市住宅』は1968年5月に創刊、植田実氏が編集長を努めた名雑誌だ。1970年代に入ると年間テーマが設けられるようになり、コミュニティ、集住体から町づくりへとその内容も時流とともにシフトしている。75年のテーマは町づくりの手法。この頃の吉阪研究室のメンバーが、その後の町づくりの第一線へと巣立っていく。
この雑誌が出版されてから30年の間に、町づくりの意識は〈ハード〉から〈ソフト〉へと移行していった。しかし、行政から一般人に至るまで〈ハード=箱もの〉と〈ソフト〉という対立構図が浸透してしまっている状況が残念でならない。少なくともこの特集記事には、ソフトからハードへの意識の連続があり、そのためのエッセンスが詰まっている。」(2009.12.17)